糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きてくる眼の病気です。予備軍も含めると2,000万人といわれる闘病病の患者数の多さもあって、糖尿病網膜症は緑内障とともに成人してから失明の大きな原因疾患となっています。
糖尿病網膜症は、糖尿病患者の約40%で見られます。糖尿病は、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態、すなわち高血糖状態が続く病気です。
健康な人では、食事の後、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、食べたものに含まれる糖分をエネルギーに変換します。糖尿病では、このインスリンの量や働きが低下してしまうのです。
糖尿病には、のどが渇く、多尿などの症状がありますが、これらは血糖値がかなり高くならないと現われません。血糖値が多少高い程度の状態では自覚症状はほとんどないために、糖尿病を 治療しないでいる人が少なくありませんが、合併症はからだの中で確実に発症・進行しているのです。糖尿病の眼の合併症は網膜症以外に、白内障をはじめ、さまざまな病気があります。